あしたの散歩帖

となりの日常に、ふらりと舞い込む、ふくしまのご近所旅。

あしたの散歩帖 ふくしまの旅

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半径キロ圏内のとなり街は、
ちょっと不思議。
普段の景色や人々の営みが
こんなに違うなんて。
車から降りて、歩いたり立ち止まったり
知らない路地をゆっくりめぐる
小さなご近所の冒険は
いろいろな発見に満ちています。
となり街の日常に溶け込むように
あなただけの旅の記録「散歩帖」を刻みに
あした、散歩へ出かけてみませんか。

STORY

  • Vol.03

    駅を降りると、どっしりとした山が
    こちらを見ていた。川は静かに流れて、
    空はひろく、穏やかな風が頬を撫でる。
    「おーい!こっち、こっち」亜季が
    手を振っているのが見える。
    「待たせちゃったかな。迎え来てくれて、ありがと」
    七海は荷物を後ろのシートに置いて、
    助手席に座った︙

  • Vol.04

    ずっと泊まってみたい宿があった。
    それは海沿いの豪華なリゾートホテルでも、
    イケてる人々が交流を求めて集う
    ゲストハウスでもなく、
    農業を営むオーナー夫婦が切り盛りする民宿で、
    そこで育ったお米と野菜を使ったおいしい手料理を
    お腹いっぱい食べられると友人に
    猛烈に勧められた宿だった︙

  • Vol.01

    「変わった温泉街らしい」と聞いて、
    ちょっと楽しみにしていた。
    隣では美香がサングラスをかけて
    機嫌よく運転している。
    冬のよく晴れた日曜の朝、
    わたしたちは福島の
    『岳温泉』という温泉地に向かっていた︙

  • Vol.02

    海を見ていた。
    太陽はもうだいぶ高い位置にあって、
    遠くで雲に透けている。
    穏やかな波の音が鼓膜を揺らすのを、
    目を閉じて聴いてみる。
    まわりには誰もいなくて、
    こんな場所にひとりでわたしはいる︙